「倉庫に侵入されたのか?」

『いや、瑠衣との電話を切った後に、念の為にと思って見に行ったら倉庫の様子を窺ってる黒服の男たちが数人いたからすぐにシャッターを閉めた』



黒服……きっとあの人たちの仲間だ。



「そうか、良かった」

『侑真、このまま帰ってくるのか?』

「……」



その問いかけに黙り込む侑真。

悩むのは当然だと思う。

だって、敵がいる所へ行くなんて、捕まえて下さいと言っているようなものだから。


でも、だからと言ってこのまま彼らが帰るまでドライブするのも違う気がする。

彼らが倉庫に乗り込んでくる可能性だってあるわけだし。


何より、リョウがこっちに向かっている。


……って、そうか。



「リョウに追い払ってもらえばいいんだ」



ある意味関係者だから、黒服の男たちがリョウに何か危害を加える心配は無いと思うし、彼女もリョウに怪我させるような指示はしないと思う。