「俺か」


そう言ったのは瑠衣で。


私たちはリョウと電話してたから、瑠衣が颯太とどんな内容の電話をしたのかまだ聞いていない。

私たちが切った時にはもう通話は終わっていたから、倉庫は無事なんだと勝手に安心していたんだけど……


何だか嫌な予感がするのは私の気のせいだろうか。




「瑠衣、出ろ」

「あぁ」


侑真に促されて電話に出る瑠衣。

あの瑠衣が珍しく動揺しているところを見ると、どうやら瑠衣も嫌な予感がしているらしい。



『瑠衣!』


案の定、電話に出た瞬間、颯太の動揺した声が車内に響いた。途端に私たちの表情が強ばって、思わず顔を見合わせる。


あぁ、もう。なんでこういう悪い予感ってよく当たるんだろう。



「颯太、何があった?」



呼びかけに応えたのは瑠衣ではなく侑真で。

その横顔は険しく、電話の要件を何となく察しているように見えた。


かくいう私も、何となく気付いていたりする。




『奴らがこっちにも来た!』



────だって、それしか思い当たらないから。