『……チッ。今はどうなってる』

「前から奴らの車が来たからUターンして、今倉庫に向かってる」

『追いかけてきてるのか?』



その問いかけに振り返って確認してみたけれど、



「車が多くてどれだか分かんない」



すでに大通りに出ているせいで、どれが奴らの車なのか確認出来ない。



『とりあえず今から倉庫に向かう』

「分かった。……って、もうお父さんとの話は終わったの?」

『あぁ』



時計を確認すると、まだ待ち合わせの時間である12時を少し回ったところだった。


一波乱あったから時間が経っているように感じたけれど、時間にすればほんの数分の出来事だったらしい。




「気をつけて来てね」

『あぁ。────侑真、あやのを頼む』

「分かった。待ってる」



通話終了ボタンを押して、会話は終了。


リョウと電話をしたというのに、さっきの出来事のせいでテンションはガタ落ちで。

はぁ、と深いため息が零れ落ちる。



と、その時だった。



「びっ、くりしたぁ……」


たった今電話を切ったばかりなのに、また着信があるなんて思ってもいなかったから過剰に反応してしまった。