「侑真、このまま倉庫に向かっていいのか?」
「そう、ですね……。──瑠衣、颯太に電話しろ」
「ほいよ」
成くんにはとりあえず倉庫に向かってもらい、瑠衣には倉庫に待機している颯太に現状報告を。
っていうか、こっちも大変だけど、倉庫の方は大丈夫なのかな……?
下手したら倉庫に先回りされてる可能性も……
考えただけで、ぞわりと身震いがする。
「侑真……」
「大丈夫だ。とりあえずリョウに連絡入れよう」
「……うん」
そう言った侑真は手に持っていた携帯を素早く操作し、リョウに電話をかけた。
こんな事態があった時の為にと、番号を交換していたんだけど、本当に電話する羽目になるなんて……
リョウの番号を知っているのは総長である侑真だけじゃなく、幹部全員が交換していた。
もちろん、緋月幹部の番号もリョウの携帯に登録済みだ。
「……出ないな。まだ親と話し中なのか?」
リョウは今日、お父さんと話すると言っていた。
内容は聞いていないけど、組を抜けるにあたって色々話すことがあるんだと思う。お母さんのこともあるし。
「……出た」