11月。まだ冬になったばかりだというのに外は突き刺すように寒くて、暗い美術準備室にはどこかから隙間風が吹いてくる。 「なっちゃん、寒くない?」 「うん…。」 最近のなっちゃんは、どこか上の空で。 向日葵の絵を見つめるなっちゃんの横顔は、とても綺麗で優しくて 僕はそんななっちゃんを見るたびに、胸が締め付けられて仕方ない気分に襲われた。