細い髪の毛からは、シャンプーの匂いがした。美術室の、絵の具のこびりついた床にしゃがみ込んで、僕はなっちゃんの髪を結うていた。


口に入れたら溶けてしまいそうな柔い髪にそっと櫛を通す。僕の手の震えに、なっちゃんは少しも気づいていない。




なっちゃんは、ずっと、あの絵を見ていた。僕は、なっちゃんの長いスカートから伸びる白くて細い脚を。



「ねぇ、もっときつくして」