「何?どうしたの?」
「廉くんが、いないと寝れないよ。
一緒に寝たいな。駄目?」
ーーーーーーーーー☆廉side☆
突然、寝てる俺のとこに着たのは、素足を晒し、頬を染め瞳を潤ませた陽菜だった。
しかも、俺が、いないと、寝れないとか言うし、しまいには一緒に寝たいとか言うし、何これ。
やば………可愛すぎる。
人がせっかく、我慢してんのに。
「俺、一緒に寝たら我慢出来ないかも。
嫌だろう?」
俺の言葉の意味を理解すると、陽菜の顔が赤くなる。
本当、可愛すぎる。
「嫌ぢゃないよ。
私、廉くん信じてるから」
まぢかよ。
信じてる言われたら、何がなんでも我慢しなきゃ、と俺は理性を保つ。
「わかった、ぢゃあ寝ようか」
俺は、ベットの部屋に陽菜を連れて歩き出す。
陽菜の手が少し震えてるのに気づき、きゅっ、と握り返した。
端ッこにいる陽菜を引き寄せると、びくり、と身体が震えた。
「大丈夫、大丈夫だから」
優しく抱き締めてると、陽菜は小さな寝息を立てていた。
小さな顔、小さな口元。
やべー、キスしてぇ。
可愛すぎる。
深夜、2時頃。
なんだかんだ、隣にいる陽菜が気になって寝れず、ようやく、ウトウトし始めた時…………
「……ぃゃ。助けて。
やめて。」
突然、寝ていた陽菜が泣き出した。
抱き締めると身体が震えてたいた。
目に涙を溜めた陽菜と、視線が絡まる。
「陽菜、大丈夫だから。俺が、守るよ」
俺が、背中を擦ると幾分安心した様だ。
「廉くん。
あのね。」
なんだ?モジモジし始める陽菜に首を傾げる。
「キスしてほしいな」
いや、キスなんてしたら理性を抑える自信ねぇよ。
「いや、キスはまずいかな。俺、今理性と戦ってるから」
俺の言葉に、首を傾げる陽菜。
何その仕草。わかんねーのかよ。
「キスしたら、我慢出来なくて陽菜に嫌がることしちゃうかもだから。」
そう言うと赤くなる陽菜が、可愛すぎる。
俺、今夜寝れねぇーかも。
寝て起きたら朝になっていた。
カーテンの隙間から光りが漏れてる。
「廉くん、ありがとう」
寝ている廉くんの寝顔を、眺め部屋を出ると乾燥機から乾いた制服を出して、シワを伸ばし袖に通す。
ガチャリ、とドアが開き寝癖をつけた廉くんが顔を出す。
思わず笑ってしまう。
「何、笑ってんの?」
赤い顔をした廉くんに。
さらに、笑みが漏れたのは言うまでもない。
いったん家に帰り新しい下着に着替え、門で待ってる廉くんの所へ。
学校まで、二人歩いてるとチラチラと見る外野。
「あっ、きたきた。
陽菜ー!!」
学校の門で、祭が手を振って駆け寄ってきた。
「二人の関係は後で聞くよ。
あのさ、今職員室でね。いたの、あんたの双子の姉」
えっ…………彩未?
「隣には、郡先輩がいた。
どう言うことなの?あんた達付き合ってたんぢゃ……」
祭の言葉が途中切れた。
祭は、違う場所を見ていた。
目で、追う。
「…………彩未。」
まるで、鏡を見ているみたい。
「陽菜、昨日ぶり。なんで帰っちゃったの?
見て見て、陽菜とおそろ!」
同じ制服を、着こなした彩未はフワリ、と笑う。
「なんで、その制服……」
私と、同じ制服に身を包んだ彩未に困惑する。
だけど、すぐに気づく。
そばに郡先輩がいたから、すぐにわかった。
「日向と、同じ学校行きたかったからね。
日向、愛してる」
郡先輩に腕を回す彩未。
「俺も愛してる」
そして、キスをする二人に。
「きゃーー!!!!!!!」
観客は悲鳴の嵐だ。
これは、現実??
郡先輩の、外野を見る目はとても冷たい。
突き刺さる視線に目を背けた。
「彩未ちゃん。どういうことなの?
彩未ちゃんは、そんな見せつける様なことしない。
彩未ちゃん変わっちゃっ「関係ないだろう、お前には」
祭の言葉を誰かの声が、塞いだ。
それは、冷たい顔をした郡先輩だった。
「関係なくないよ。
友達のことだもん。
先輩は、最低だよ。陽菜と付き合ってたのに、どうして別れたの?
彩未ちゃんが目覚めたら、陽菜のことどうでも良くなったの?
最低な先輩に、言われたくないよ‼
あたしの友達、傷つけないでよ‼」
祭の言葉が、心に響いた。
私のために泣いてくれる友達を、抱き締めた。
「ありがとう、祭。
だけど私は大丈夫。
先輩、私は先輩が好きでした。
だけど、祭を傷つける人は嫌いです。
そして、彩未のことも大事にしてください。
私の大切な姉なんだから。
行こう祭」
フワリ、と笑う。
私、笑える。
泣いていた昨日がウソみたい。
「……………………行こう」
初めて見た日向の曇った顔。
私の知らない日向。
「日向、彩未愛してる、って言って。言わないとキスするよ」
「愛してるよ」
「違う、彩未愛してる、って言って!!!」
私は何を躍起になってた?
日向から彩未って呼ばれたかった?
違う。
違うんだよ。
「日向は、誰が好きなの?
日向は、誰を想ってるの?」
私気づいたの。
だけど気づきたくなかった。
「日向は、陽菜が好きなの?」
「何言ってんの、好きぢゃねーし」
「嘘!!
どうして嘘つくの?日向がそんなだから……みんな傷つくの。
私を1人に、出来ないとでも思った?
私は弱くない!!
日向の気持ちがここにないのに、付き合えない。
お願い…………気持ちに嘘つかないで」
私は弱くない。
弱くない。
「ごめん、ちゃんと言うから」
彼は悲しい顔を向ける。
お願い、悲しい顔しないで。
離れられなくなるぢゃない。
私は、日向が去った後地面に大粒の涙を流してく。
好き…………日向が好き。
だけど、日向よりもっと好きな子がいるの。