冷たい彼に恋をしました。。

スマホを操作する指が、送信ボタンに触れた。


相手先は、郡先輩。



「(彩未が、目を覚ましました。彩未は、日向に会いたいといってます。彩未が待ってます。


必ず来て)」



必ず来てなんて、言って本当は来ないでって思ってる私はひどい女だ。


彩未が目を覚ましたのが、うれしい反面。


既読のままの、返信はなかった。



だけど彼は、ちゃんと来た。


額に汗を滲ませながら。



「先輩‥‥‥‥」


「彩未は?元気なのか?」



彩未‥‥‥‥‥


先輩が呼ぶカーテンが、ユラユラと揺れて開かれた先には彩未。



「日向ッ!会いたかった。」



泣きじゃくる彩未の肩を引き寄せる様に、抱き締めた。



ズキン、と心が痛んだ。



先輩の肩が微かに揺れた。  
 

腕が震えてた。


「 よかった。よかった、目覚めて。

少し休め。」



こんな優しい先輩見たくないよ。


私ぢゃない、彩未に大しての振る舞い。



嫉妬に顔を歪ませた私に彩未が、不思議に首を傾げる。 

「陽菜、どうしたの?日向と知り合い?」



私の彼氏だよ、と言おうとしたのに。



「学校の後輩だよ」



彼はそう言った。 

 


なんで‥‥‥‥‥?





私、先輩の彼女なのに。


「そっかぁ、日向と同じ学校なんて、いいな。今から編入試験受けたら受かるかな。


私も、日向とおんなじ学校行く‼」



浮かれた声の彩未が、初めて憎く思った。



「陽菜ちゃん、ちょっと話あるんだ。いい?」 



陽菜ちゃん?


陽菜って呼び捨てだったのに、なんでそんなよそよそしいの?



なんとなく、この先のことが予想出来てた。



暗い廊下を歩く。自販機の明かりが、輝いていた。



「陽菜、ごめん。別れて。俺は、彩未を放っておけない。彩未のそばにいたい。


ごめん」



チカチカ光る明かりが、映る。


「私は、彩未の変わりだったの?


彩未が、目覚めたら私なんかいらなくなったの?


先輩は、そんな人ぢゃない。



先輩は、いつだって優しかった。


どうして。」



どうしてなのか、分からない。




行き場のない不安な気持ち。


チカチカ光る明かりと一緒に交わりたい。


「陽菜、ごめん。サヨナラ‥‥」




彼は私から離れてく。。



床にポタリ、と涙が落ちる。



シミを作ってく。


私は床に座り込み、泣きじゃくった。



あれから、1人病院を抜け暗い夜道を歩いた。



スマホで時間を確認する。


19時か。



とぼとぼと、歩いていると誰かに肩がぶつかった。



「いて!どこみて、あれ?メチャクチャ可愛い子ぢゃん?1人?お兄さん達とイイコトしない?」


ニヤリニヤリ、と不気味に笑う金髪の男。


「やめてください!離して」



「大丈夫だよ、怖くないよ。


最高に気持ちイイコトしてあげるからほらおいで」



「いやぁ!!!!」



凄い力で引き寄せられ、地面に押し倒される。


馬乗りになる1人の男と、両腕を押さえつける男。


制服のミニスカートから覗く白く細い脚。


華奢な腕。



なんとなく、わかった。


彼らが、これからしょうとしてること。



怖くて声が出せない変わりに涙が流れた。



「やべー、可愛い。まぢ、興奮してきたし」



いや。


先輩、助けて‥‥‥‥‥



制服のリボンを解かれ1人の男に、渡すと両腕を縛られる。


「俺、上な」


「ぢゃあ、俺下な」


ニヤリニヤリ、と笑う男に吐き気がする。


上の男が、ブラウスに手を入れボタンごと引き裂く。



「いやぁぁぁ!!!!!」


初めて大きな声が出せた。



薄いピンクのブラが露になる。



下では、男が、スカートを捲り男の手が私の太ももを撫でる。



「やぁ!!!やめて誰か助けて!!」



どうして、こんな目に会わなきゃいけないの?



ただ、恋しただけ。



上の男が、ホックに手を伸ばす。


もう、駄目、と思ってきつく目を瞑った。



ドカ、と言う音が聞こえ、私の上にいた男が地面に寝転んだ。


何‥‥‥‥?



下の男も、地面に踞ってる。



「なぁに、やってんだよ。クズが!!」

「亀井くん、なんで?」



助けてくれたのは、亀井くんだった。



「陽菜ちゃん、大丈夫?」



優しく私を抱き締める力に力が籠る。


そっと、自分の上着を掛けてくれる亀井くん。


真剣な表情をする亀井くんにドキリ、とした。

「俺ん家くる?近いし。そのまま、返す訳にはいかないし、それに‥‥なんもしないから」



うん、としか頷けなかった。


強い意志を、持った目に逆らえなかった。



きっと、亀井くんなら大丈夫、とどこか心の中で思った。



歩いて徒歩五分。



マンションの最上階に、入った。


鍵穴に差し込む亀井くんを見て



「亀井くんって1人暮らし?」



「うん、そうだけど。入りなよ」



1人暮らし。1人暮らし、本当に。



さっきのこともあり、玄関先で躊躇う私にクスリ、と笑う。


「大丈夫だよ、なんもしないから。多分ね」



ニヤリ、と笑う亀井くん。



絶対、からかわれてるよね私。



不思議と怖くなかったから。
「はい、これ、シャワーしてきていいよ」



いきなり、タオルを渡され戸惑う。



だけど砂まみれの私の制服。ブラウスは破られてるし、私はタオルを受け取った。



「ありがとう、亀井くん」



私は、亀井くんにお礼を言いシャワールームに消えた。
☆廉side☆


「はああ、本当可愛いよな」



俺、亀井 廉〈カメイ レン〉

俺が、あの時間にあの場所を通ったのは軌跡で。

最初、陽菜ちゃんだって、わからなかったけど絡まれて助けを求めてる女の子助けないなんてできなくて。


近づけば近づくほど、相手の子が陽菜ちゃんだと分かって苛ついたのはまぢで、気づいたら男共を蹴散らせていた。



陽菜ちゃんは、瞳を潤ませ白い肌を促していた。


長い髪の毛は、ボサボサで土が付いてる。


本当なら、半殺しにしたい気持ちを抑えたのは陽菜ちゃんが泣いていたから。


とりあえず家にあげたものの、なんだか緊張してる陽菜ちゃんの緊張が移りそう。



今夜大丈夫かな。
シャワーが汚い砂まみれの制服を洗った。


髪に付いた土を、綺麗に洗った。


私‥‥‥‥あの時亀井くんが居なかったらどうなってた?


思い出して身震いした。


上がって洗濯機の上にスウェットがあったけど、下は大きくて、やめた。


上のティーシャツだけを着たら、ミニスカートみたいになって、ちょうどいいし。


気づいたら洗った制服は、洗濯機の中で回っていた。


「亀井くん、上がったよ。


本当に何からなにまでありがとう」