私、如月 陽菜。
16歳高1。
「はああ、郡先輩カッコいいな。」
「また、始まった‼陽菜、郡先輩みたいな冷たい人ぢゃなくて、もっと暖かい人と、恋愛しょうよ。
陽菜モテるんだし。」
ボブカットの、風見 祭〈カザミ マツリ〉、同じクラスで、昔からの友達。
「無理。郡先輩の良さを分かってないんだよ祭は‼」
「はああ。わかんないね。こないだ、郡先輩に告白して、バッサリ切られて泣いてた子、ずっと学校来てないんだってよ。
最低ぢゃん、あんな男」
知ってるよ。そんなこと。
郡先輩が、冷たい王子様だってこと。
だけど誰にも同じ態度で接する郡先輩に引かれてしまったのは、たしか。
「チャラい人より、いいよ。
誰にでも、愛想いい人はやだし」
うちのクラスでは、亀井くんが、そんな感じだし。
亀井くんの方を見ると、亀井くんは女の子と話してデレデレしてる。
「やっぱり、郡先輩がいい!!」
チャラい亀井くんなんて、目ぢゃないよ‼
「おっと噂をすれば、郡先輩発見!」
祭が窓の外を指差すと、女の子と裏庭に歩いてく。
あれは、きっとまた。
「告白だね。先輩、やっぱりモテるし。妬くなぁ」
姿が消えてく二人を見てなんだか、心が傷んだ。
昼休みに裏庭に、私はいた。
人気のない場所にいるわけは、「裏庭に、来てください。」の手紙を貰ったからだ。
まだ、その主は来ていない。
名前は書いてないしイタズラかなって思ったけど行かないのも、あれだしと来てみたけど。
帰ろうかな。。、と踵を返した瞬間。
誰かに腕を捕まれた。
「如月さん、よかった。まだいた。
ごめん遅れて‼」
あれ?この人‥‥‥
「亀井くん、何?」
チャラチャラ系の亀井くんだ。
私の嫌いなタイプ。
「あのさぁ、俺と付き合わない?
俺、如月さん、可愛いって前から思ってて「ごめん。私チャラい人嫌いだから‼
それに、私が好きなのは郡先輩だから」
亀井くんの告白??を遮って、頭を下げた。
「郡先輩?あー、あの冷たい人ね。
どこがいいの?
もし付き合ってもうまくいかないんぢゃない?
ねっ、俺優しいよ‼
付き合って見ようよ‼」
どんどん、壁に追い込まれ、ついには両手を壁に押し当てられる。
「いやっ!!離して。
亀井くんなんて好きぢゃないから、私が好きなのは郡先輩なの。
離して‥‥よ」
押し返そうと力を入れても、男の力には勝てなくて、そんな亀井くんは、どんどん、顔を近づけてくる。
いやだ。
キスするなら、大好きな郡先輩がいい。
涙が、頬を加速する。
ドン、と急に手が解放され、暖かい大きな手が私を包んだ。
「なにしてんの?」