今朝、青山くんに肩を抱き寄せられたときだっていっぱいいっぱいだった。
だけど、手と手なんて、一番体温が伝わって、その……。
男の子と手すら繋いだことのないあたしは、心臓が一気にバクバクしてくる。
同時に、今朝のことも思い出す。
「なんだよ……」
あたしが驚いたことに驚いたのか、離した手をポケットにねじ込んで。
「バックレんだから、連絡なんていれたらダメだろ」
それから衝撃的な言葉を言う。
「俺とアンタで別んとこ行くんだよ」
「……?」
え?
意味がわからないよ。
「帰る……んじゃないの?」
「まあ、そうだな」