向こうは4人でも十分楽しそうだし。

あたしが行かなくたって、盛り上がりに左右はしない。



「じゃあ杏ちゃんに……」



連絡を入れなきゃと、返してもらったばかりのスマホをブレザーからとろうとして……。


ーーーガシッ。


その手を掴まれた。



…………え?



手のひらに、青山くんの手が重なっている。


あたしの手よりもずっと大きくて硬くて……少し熱を持った手が……。



「ひゃっ……!」



衛星中継のように、少し遅れて事態を把握したあたし。


咄嗟に後ずさりしてその手を離し、宙に浮かせたまま、手を握りしめる。


ななななんでっ!?

なんで手を握ったの……!!