あっ……。
校門を出る手前、グラウンドの水飲み場の前で佇むひとりの男の子の姿が目入り、足が止まった。
……笹本くん……。
ズキッ。
鈍い痛みが胸を走る。
今までは、笹本くんを見かけただけで、跳び上がるくらい胸がワクワクしていたのに。
……朋美ちゃんも昨日、こんな感じだったのかなあ。
既読がついたのに音沙汰がなかったらさみしいよね。
不安になって電話攻撃になるのもちょっと理解できた。
あたしにはそんな行動力ないけど。
既読がついたのに返事をくれないのって、やっぱり地味に傷つく。
ぼーっと笹本くんの姿を視界に入れていると。
ふと顔を振った笹本くんと、目が合ってしまった。
「……っ!!」