「……うん、いいよ……」



全然気分じゃないけど、杏ちゃんの恋路のためなら。


友達として、応援してあげたいし。



「やったぁ、行こ行こっ!」



腕を取られ、みんな一緒になって昇降口を出る。


そのうち、杏ちゃんの腕は解かれ。


あたしと青山くんを除く4人は、昇降口ですっかり打ち解けていたのか、ひとかたまりになって先を軽快に歩いて行く。


……これ、青山くんも行くんだよね……?


あたしはその輪に入る力もなくうしろを歩いているけど、青山くんも同じだった。


輪に入るでもなく、少し後れをとったまま足を進めている。


これじゃあまるで、ふたりで帰っているみたいな雰囲気。