メッセージを見たのに返事をくれないのは、きっと困ったからだ。


なんて返していいのか分からないんだよね。


優しい笹本くんのことだし、断りたいけど傷つけないようにサラッとスルーしてくれたのかも。


それとも、引いた……?


ああ、もうだめ……。

ずるずると、悪いほうへ思考が傾いていく……。



「ちょちょちょ、待ってよ」



後ろから走ってきた杏ちゃんが、あたしの腕を引っ張った。


もともと力の入っていなかった体。

惰性でグッ……と戻される。



「今さ、侑汰くんたちと話してて、これから遊びに行こうってなったのー」


「……侑汰、くん?」


「そう」



杏ちゃんが振り向く先では、チャラ男くんが手を振っている。