軽く頭を下げて歩き出す。


上履きを脱ぎ、靴に履きかえる。


体に染みついた一連の動作も無意識なくらい、ショックだった。


画面上についた"既読"の文字が、頭から離れない。



……恥ずかしい。


調子に乗って、誘ったりして。



あんなメッセージ送るんじゃなかった。


笹本くんからすれば、あたしなんてたくさんいる女友達のひとりなのに。


女友達っていうか、ただの知り合いくらいの位置づけかもしれないのに。


一緒に帰るなんて、まるでカップルみたいなこと、するわけないよね。