そわそわしながら約束の昇降口まで行くと。



「あ、来た来た!」



大きく手を振りながら杏ちゃんが出迎えてくれた。

ひとりで受け渡しに行くのはイヤだから、杏ちゃんと友梨ちゃんにも待っててもらうことにしたんだ。



「遅かったね、説教くらったの?」



図星をさす友梨ちゃんに、あたしは下唇を突き出しながら頷いた。



「で……青山くんはもう来てる……?」



どきどき、ひやひや。


少し警戒しながら友梨ちゃんを楯に向こうをのぞくと、朝も来ていた青山くんの友達ふたりの姿がみえた。


けど、肝心の青山くんは……?



「翔はちょっと野暮用中なんだ。ごめんね、もうちょっと待ってて」



……まだなんだ。