「あのっ、実は……」


『これ、翔のスマホだよね?』


「へっ?は、はいっ……」



だけど、あたしは彼を知りません。



『アンタ翔のなんなわけ?翔そこに居るんでしょ!?代わりなさいよ!』


「いいい、居ませんよっ!?」



「花恋~?」



そこへ突然低い声が割り込んだ。


……っ!?


それは、あたしのすぐ後ろから聞こえていた。



わあっ!!

お、お兄ちゃん……!?


タイミングが悪いことに、お兄ちゃんがあたしの名前を呼びながら部屋のドアを開けたのだ。