「こーんなに可愛い子たちが揃って翔を訪ねに来てくれたのに、いないなんて罪な奴だよなー」
思いっきり校則違反な制服の着こなしをしている彼は、クシャっと顔を緩めた。
「そ、そうだったんですね……」
見た目だけで言わせてもらえば、すっごい軽そうな人。
言動もそうだけど、髪は赤いし、ピアスは……1、2……5個?
こんなチャラい人、うちのクラスにはいないなぁ……なんて、思考が飛んじゃうくらいショックで。
ドアに片手をついてうなだれる。
「で、俺でよければ用件聞くよ?伝言しとくし」
ニコニコと笑みを絶やさない彼は、決して悪い人じゃなさそうだけど。
「あ、そ、その別に……」