チチチチ……。
翌朝。
鳥のさえずりで目が覚めた。
夏の朝は早く、スマホを手に取ると、まだ5時だった。
……はぁ……
なんか全然眠れなかったな。
眠れなかったくせに頭は冴えていて、あたしはそのままベッドから起き上がる。
結局、翔くんとは何も話を出来ていないまま、花火当日を迎えてしまった。
昨日は何度も翔くんから着信があった。
あたしがお昼を一緒に食べずに、そして翔くんに何の連絡もしなかったから、きっと心配してくれたんだろうけど。
でも、着信だけで、メッセージは送られてこなかった。
きっと、ちゃんと直接話そうと思ってくれてるのかな……。
電話で何をどう話していいかもわからず、あたしはただ、鳴っているスマホを眺めているだけの意気地なしだった。