「どうする?青山くんもきっと、誤解を解きたくて来てくれたんだと思うよ」
友梨ちゃんの言うとおりかもしれない。
でも……
「……っ、花恋っ……!」
躊躇している間に、翔くんに気づかれてしまい、あたしの名前を呼ながらこっちにやってくる。
やだっ、どうしよう。
なにをどう話せばいいのかわからないよ。
恋愛初心者のあたしは、こんなとき、どうやって話をすればいいのかなんて全然わかんないんだもん。
そして。
見ちゃったんだ。
翔くんのシャツの胸元についた"赤"を。
……きっと、朋美ちゃんのリップ……。
ズキンッ……。
さっきの光景がリアルに呼び起されて、痛む胸。
それでも、
「ちゃんと話すんだよ?」
友梨ちゃんの手が、あたしの肩に優しく乗ったとき。