こんなにショックを受けてるなんて、あたし……そんなに翔くんのことが好きだったんだ。
ついこの間、朋美ちゃんに教科書を借りているのを見てからずっとモヤモヤが収まらなくて、なんとなく翔くんの前で笑えていなかった。
顔や態度に出しちゃダメだって思うのに、心は言うことを聞いてくれなくて……。
『なにかあった?』
って、翔くんは優しく聞いてくれてたのに、
『なんでもないよ』
って、また心の内を隠して。
……なにもないなんてウソは、きっとお見通しで。
そんなあたしに嫌気がさしちゃったのかもしれない。
教科書だって、あたしに借りてくれてないくらいだし、もともと、そんなにあたしのことなんて……。