「ゆ、りちゃ……ううっ……」



あたしは学校だというのに、感情を抑えられずに泣き出してしまった。


流した涙は止められなくて、嗚咽と共にあとからあとから溢れてくる。



「えっ!?花恋っ!?」



幸いにも8組はフロアの一番端。


友梨ちゃんが非常階段まで連れて来てくれて、外の空気を吸い込むと、少し気分も落ち着いた。



「なにがあったの?」


「……っく……翔くんっ……朋美ちゃ……抱き合ってた……っひっく……」



言葉にするのも辛い。


それでも何とか言葉にした。



「えぇっ……!?まさかっ……」



友梨ちゃんも言葉を失う。



……だよね。

あり得ないよね。


やっぱり涙は止まらなくて、また溢れてきてしまった。