「あたしはっ……ずっと好きだったのにっ……」
そう言い切ると、朋美はいきなり俺に抱き着いてきた。
「……っ……」
抱き着かれたまま、頭の中は真っ白になる俺。
マジで……朋美が俺を……?
どうしたら、いいんだよ……。
いくら相手が朋美でも、こんな風に気持ちを打ち明けられて、その対処法なんてわかんねえ……。
抱き着く朋美を突き放すことも出来ずに、しばし呆然としてから顔をあげると。
「……っ!」
俺の目にありえない光景が映った。
……花恋……!?
すぐ側の中庭で、ゴミ箱を持った花恋がこっちを見て立っていたのだ。
今にも、泣き出しそうな目で。
どうして、ここにっ……。
「あっ……」
咄嗟に今の状況を思い出し、慌てて朋美を俺から離そうとするが、ぎゅっとしがみつかれていて容易には手がほどけない。