「……っ」



さっき、朋美ちゃんの頭に触れた手が、今はあたしの肩に乗せられている。


翔くんの手には変わりないけど……。


さっきまでこの手が朋美ちゃんに触れていたかと思うと、胸がチクチク痛んだ……。



「女子はみんな浴衣で行くんだから、男子もちゃんとカッコよくして来てよね~」


「任せとけ~、俺甚平で行く予定だし」


「侑汰マジで!?」


「気合入り過ぎじゃん?」


「友梨ちゃん、いっぱい写真撮ろうな~」



なんて、この場は異様な盛り上がりを見せているけど……。


あたしはなんだかモヤモヤしたままだった。