朋美ちゃんはそうじゃないでしょ……?
好きなんだよね……?
そんな相手に、そんなことして……。
他の女の子に触れるなんてっ……。
「花恋どうしたの?」
足が止まったあたしを、友梨ちゃんが不審そうに振り返る。
ここは4組の前だし、杏ちゃんも友梨ちゃんも翔くんには気づいてないみたい。
……もちろん翔くんも。
「……ううん、なんでもないよ」
あたしは少し俯きながら、足早にその前を通り過ぎた。
「友梨ちゃああああんっ!!」
匂いで察するとでもいうのか。
1組に着いた瞬間、侑汰くんの例の声が聞こえてきて、すぐに姿も現れた。
続いて、智史くんも。
もちろん翔くんの姿はない。
……朋美ちゃんの所へ行ってるんだもんね。