うっ。
そうでした。
友梨ちゃんの言うことはごもっともです。
「そうだよ、これ以上の修羅場はきっと出てこないから大丈夫大丈夫!」
そんな笑えない太鼓判……。
早く早くと急かす杏ちゃんは、ミーハー心しかないって感じ。
しょうがないなぁ。
同じ機種だし、それなりに操作は出来る。
渋々指を動かすと、持ち主のデータが表示された。
「あ、出た出た」
楽しそうな杏ちゃんの声を頭上に聞きながら、目に映るのは知らない名前。
「青山(アオヤマ)……翔(カケル)……?」
読み上げてみても、当然だけどピンとこない。
同じクラスの男の子でもない。
「知らないなー」
「あたしもわかんない」