つき合ってから1ヵ月弱。
侑汰のことだから、んなのとっくに済ましてると思ってた。
てっきり、その先だってあり得ると思っていた。
「い、いやあ、だってさ、あの友梨ちゃんだぜ!?綺麗で美人でクールビューティで」
「おいおい全部それ一緒じゃんかよ」
「とにかく!!あの友梨ちゃんの唇を奪うなんて、俺でさえめちゃ緊張すんだよ」
こんな侑汰でも、緊張することなんてあるんだな。
キスなんて挨拶代りにサクッと済ませそうな奴なのに。
「なんだよ情けない」
「ははは」
「おいっ!のんきに笑ってる智史!てことは、もうお前は杏奈ちゃんとキスくらいしたんだろうな!」
笑った智史が、逆に振られる。
えっ……と真顔に戻った智史は、途端に顔を赤らめた。
その反応は……。
「えっ、マジ!?智史でさえキス終わってんの!?」