一世一代のお誘い。
それを見ず知らずの男子に見られたら……恥ずかしくて生きてけない……。
「そうじゃん!花恋も笹本くんからの返事待ちだしね?」
「あー、こっちはこっちでタイミング悪かったね~」
それは友梨ちゃんのせいでしょーーーー!
長い髪をかきあげ、他人事みたいにサラッと言う友梨ちゃんを恨めしくみつめる。
あとほんの数秒ずれていたら、こんなことになっていなかったのに。
「とりあえず相手を特定しないと。ぶつかった男子の顔覚えてる?」
友梨ちゃんにそう言われ、記憶を頼りに思い出そうとするけど……。
「ううん……」
力なく首をふる。