青山くん、一生懸命叩いてたな。
そんなにただで飲み物をゲットしたかったのかな。
金欠だったとか……?
ガンッ。
今度は少し強く叩いてみたけど、ランプは点灯しない。
どのくらいの強さで叩いたらランプがつくんだろう。
ガンッ、ガンッ……。
誰もいない静かな放課後なのをいいことに、あたしは自販機を叩き続けた。
すると。
「あっ」
ついた。
あのときみたいに、全てのボタンにランプが灯って。
「ふふっ」
ボタンを押すつもりなんてないけど、達成感で思わず笑みがこぼれた時。
「コラッ、そこで何してる!」
「……っ!」
背後から聞こえた低い声に、あたしの肩はビクッと上がった。
……ヤバい。
先生に見つかちゃった。
あたしは目を瞑って肩をすくめる。
……ああ、なんてことしちゃったんだろう。
あたしどうかしてたよ。