それは、どれも笹本くんに白い目を向けると同時に発せられて。
「……っ、なんだっつーんだよ。見てんじゃねえよ!」
笹本くんは、挙句には、その外野にもキレる始末。
うわ。
笹本くんの本性って、思った以上に毒々しかったんだな……。
ほんと、騙されちゃったよ……。
「さいってー」
「笹本、オマエひでーな」
もう誰も笹本くんを擁護する人なんていなくて。
みんなに哀れまれていた頬のアザは、まるで自業自得と書いてあるように見えた。
「朋ちん、ありがとな」
「べっつに」
あれから笹本くんは逃げるように立ち去り、野次馬たちも一斉にいなくなった。
侑汰くんからお礼を言われても、相変わらずツンとした態度の朋美ちゃん。
でも、ちょっと照れているようにも見えた。