……朋美ちゃん……。
『朋ちんにしか出来ない』
あれは、そういう意味だったんだね……。
あたしは祈るような気持ちで、ことの成り行きを見守る。
「っ、その外見に騙されたバカな女はどこのどいつだよ!」
剥がれた化けの皮は、もう元に戻せなくなったらしい。
目を剥いて、笹本くんがついに反撃に出た。
朋美ちゃんも、待ってましたとばかりに言葉を投げる。
「ほんっと、一生の汚点だし!あの陰湿な黒板の落書きだって、アンタの仕業なんでしょ!?認めなさいよ!」
「ああそうだよ!俺に恥かかせたヤツがわりーんだろっ!恥かかされた分、痛い目みろってんだよ!」
……っ。
少し、胸が鈍く痛んだけれど。
……これで青山くんの無実が晴らせた……。
そっちの安堵感の方が強くて、あたしはその場にへなへなとしゃがみ込んでしまった。
落書きを認めた笹本くんに、辺りは一瞬サーッと潮が引くように、静まり返って。
直後、ざわついた。
今度は違う意味で、ガヤガヤとうるさくなる外野。