うわ。


青山くんがニセ彼を引き受けた原因は、まさかの笹本くんだったとは……。


だから、か……。


青山くんが、あそこまで笹本くんに怒りを表したのは。


落書きのことだけじゃなくて。


『もう一発殴らせろ』


朋美ちゃんのことと、二つを成敗しようとしたのかもしれない。



「手順はいつも一緒。優しくして好きにならせて落としたら終わり。そのあとは違う女の子にいい顔して同じことの繰り返し。ばっかじゃないの!?」


「……っ」


「そんなアンタなんて、翔に殴られて当然なんだから!」


「おいっ!黙れ!……あっ……」



咄嗟に手を口で塞いだけどもう遅い。


そんな暴言を吐いた笹本くんに、王子様の片鱗はもうなくて。


え、あの笹本くんが……と、この場がざわっとした。



「プライドばっかり高くて。ちょっとカッコいいからって、みんなが自分を好きだと思ったら大間違いなんだから!」