◇
それは、翌日の放課後のことだった。
廊下が妙にざわついて、胸が反応する。
そうなる原因が、また青山くんのことじゃないと完全否定できないから。
また誰かが何かをウワサしているの……?
引き寄せられるようにそのざわつきの元へ足を運べば、それは2組の前で、少し人だかりができている。
足を速めて側へよると、甲高い女の子の声が聞こえてきた。
「いい加減にしてよねっ」
……っ!?
この声って。朋美ちゃん!?
忘れもしない。
青山くんと初めて会った日、すごい剣幕迫られたときのような声だったから。
「もうさ、あたし我慢できないの」
朋美ちゃんが向かっている相手は……
「……っ」
思わず、手を口に当てた。