放課後、侑汰くんが智史くんとまた一緒に来てくれて、みんなで昇降口へ向かう。
その時だった。
「あ、朋ちん!」
昇降口に現れた朋美ちゃんを、侑汰くんが呼び止めた。
「なに……?」
ツンとしているのは、侑汰くんが青山くんの友達だからかな……。
きっと、朋美ちゃんは本気で青山くんのことを好きだったと思うし、複雑な想いがあるんだろう。
あたしだって、朋美ちゃんに会うのは青山くんにキスされたのを見られて以来だから、すごく気まずくて仕方ないけど……。
「なあ、朋ちん。翔のことだけどーーー」
「っ、あたしには関係ないってば!」
今日も強気の朋美ちゃんは、そのまま通り過ぎようとするけど、
「朋ちんなら、このウワサが嘘だって分かってるだろ?」
「あったりまえじゃん!」
「だったら、力貸してくんないかな」
「はあっ!?なんであたしが!?」
「だって笹本の本性知ってるの、朋ちんだけだろ?」
「……っ」