「ないっ、ないないっ、絶対にないからっ……」
思うだけでもおこがましいことを軽々口にされて。
青山くんを好きなあたしからすれば、そんな妄想は苦しいだけ。
だって、青山くんに好きになってもらえる理由なんて見つからないもん。
「じゃあ……翔はさておき、花恋ちゃんはさ、どうなの……?」
あたし……?
核心をつかれて、ドキッとする。
「翔と花恋ちゃん、周りから見てて雰囲気も良かったし、俺はふたりがつき合ったらいいなーなんて思ってんだけど」
「なっ……!!」
まるで杏ちゃんみたいなことを言われ、挙動不審になる。
両手は落ち着きなく宙をぶらぶらし、目線も彷徨う。
体なんて火照り過ぎて、もう燃えそう。
「それに……花恋ちゃん見てると、もしかしてって思うこともあって……」
「……っ!」
……どうしてわかるの?
隠してたはずのこの気持ちを、こんなにも簡単に見破られてしまうなんて。