◇
「花恋ちゃん!」
「侑汰くん……」
あたしを心配して、侑汰くんが昼休みに来てくれた。
友梨ちゃんに会いに来るついでじゃなく。
今日は友梨ちゃんに声をかけることもせず、あたしの所へまっすぐ向かってきた。
いつものようにおちゃらけた雰囲気はまったくなく、侑汰くんも青山くんの謹慎に、胸を痛めているようだった。
当然だよね。
仲間なんだから……。
教室で話しにくいことだし、そのまま廊下へ出た。
「あたしのせいで、青山くんが……ごめんなさい」
言って、鼻の奥がツンと痛くなった。
青山くんに謝れない今、侑汰くんにせめてもの謝罪。
「花恋ちゃんが謝ることじゃないよ。元々、笹本が全てわりーんだから!」
そう言って、無理に明るく笑おうとしている姿が痛々しい。