青山くんと笹本くんの視線がぶつかる。



「笹本、あの低レベルで幼稚な落書き、どう思う」


「……」



低レベルで……という所で、顔が引きつったのが分かった。


そう言われたことに、カチンと来たのだろう。



「どう……って。俺……よく見てねえから知らね……」


「はあっ!?テメエが書いたんだじゃねえのかよおおおおっ!!!」



しらばっくれようとした笹本くんに近づき、青山くんはグッと胸ぐらをつかんだ。



「あれを書いたのは誰だ」



低い声で威嚇する。



「…………」


「誰だっつってんだよ!!!!!!」



「きゃっ……」



誰かが小さく悲鳴を上げたと同時、あたしは思わず目をつぶっていた。



「テメエ以外にいねえだろっ!!!!!」



―――ガッ。


次に目を開けた時には、笹本くんは軽く2、3メートル後ろに吹っ飛んでいた。


青山くんが殴ったのだ。



「きゃあっ……!」