「……あ……えっと……」



そんな、ストレートに聞かれても。


あたしだって……分からないよ。


全員の視線が集中するなか、誰の顔も見れず、目を泳がせるだけ。


味方なんてひとりもいなくて。


ただ、さらし者にされているみたいでものすごく怖い。


背中を流れる冷や汗なんて尋常じゃなくて、喉もカラカラで何か言いたくてももう声すら出せない。



「ねえ、違うんだったら、否定くらいしたら?」


「そうだよ。黙ってたら、認めてるようなものじゃない?」



……どうしよう。


あたしだって全力で否定したいよ。


だけどこんな人数に詰め寄られて、なんて言ったらいいのか分からない。



静まり返る図書室。


否定したところで、次にどんな言葉が飛んでくるかなんて考えたら、このまま何も言わない方がいいんじゃないかって……。




バンッ……!


その静寂を破ったのは、机を思いっきり叩く音。