……学校中にイヤなウワサが蔓延している。
数日たっても収まる気配はなく、クラスでも女子たちがそのネタを元にあることないことウワサしていた。
……腹が立つ。
時折廊下で藤井とすれ違うが、ずっと下を向いて俺にも気づいていない様だった。
きっと、すごく傷ついているんだろう。
その前に、俺がしたことについても傷ついているはずだ……。
そんな俺が声をかけることすら出来ず。
このままじゃどうしようもねえ。
モヤモヤとイライラが募った俺は、昼休みに朋美を訪ねた。
ちょうど教室から出てきたところで声をかける。
「朋美!」
プイッと顔を背けて俺の横を通り過ぎる朋美の気の強さは、昔から変わらない。