でも、この返信ですら少しでも延ばしにしたいと思ってしまう。


そんなあたしは、ほんとにズルい女かもしれないな……。


だめだめ。


先延ばしにしたところで、返信しなきゃいけない事実も、その内容も変わらないんだから。 


自分の気持ちにはウソをつけない。つきたくない。


よし。


[うん。じゃあ、あした中庭で]


そうメッセージを返して、告白された中庭で待ち合わせることにした。







この間と同じ穏やかな中庭には誰もいない。


今日は、笹本くんよりも前に中庭についた。


しばらくすると、笹本くんがやってきた。


今日も、爽やかな笑顔で。



「返事、聞かせてくれるんだよね」



優しい問いかけに、コクンと頷く。


あたしがノーと言ったら、この爽やかな笑顔はどうなる……?