揶揄されて、キリキリと胸が痛んだ。
この性格のせいで、青山くんにたしなめられたカフェでのことがまざまざと蘇った。
いやな、思い出。
「今回は違うか。両思いってやつか。良かったじゃん」
良かった、という割にはまるで祝福している声じゃなく。
冷やかしているような、挑発しているような。
どこか悪意を含んだ声。
痛い、痛いよ、胸が……。
それに心が反応するかのように、ポロッ……右目から、涙が一筋零れた。
「なんで泣いてんだよ」
ずるいよ。
そんなこと言うなんて。
「……青山くんにそんなこと言われても、全然嬉しくないっ」
ポロッ……。
今度は左目から。
両目から一度落ちた涙は、あたしの涙腺を崩壊させて。