「まだ間に合うだろ」


「……え」


「数学」


「……っ!」



数字って。



『今日、数学教えてもらえる?』

『俺の英語が終わったらな』



数字を教えてくれるってこと……?


そんな約束をしたけれど、あんなことがあってうやむやなままだった。



だけどっ……。



「藤井のお陰で、英語すげえ出来たんだよ」


「……」


「ラストの鬼問題、解けたなんて奇跡じゃねえ?」


「……」



目が見れない。



「だから、俺だけ教えてもらってこのままなんてダメだろ」



言うや否や、突然腕を取られ、校舎の中へ逆戻りする体。



「……ちょっ!!!」



ダメだろって。


ええっ!?



「花恋っ!?」


「ちょっとコイツ、借りるから」



呼んでくれた杏ちゃんに答えたのは青山くん。