ーーーと。
ばくんっ!
心臓が激しく波打ったのは、8組の靴箱前に青山くんの姿が見えたから。
1組の靴箱とはかなり離れているのに、なんでここに……。
あれ以来、会っていないしかなり気まずい。
だけど、そこに行かなきゃあたしは靴が履けないわけで……。
平静を装って、青山くんに気づいてないふりをしてそのまま自分の靴箱へ向かおうとしたけれど。
―――ダンッ。
青山くんの目の前までやってきたとき、その長い脚が壁に向かって伸びた。
……これって、通せんぼ……?
進路を塞がれたあたしは、そのまま立ち止まってしまう。
……なに?
もしかしたらって予感はあったけど、明らかにあたしに用があるんだと分かるその行為に、心臓がもっと激しく音を立てる。