「なにこの急展開は!どうするの!?付き合うの!?付き合っちゃいなよっ」



ここのところ青山くんを勧めてたくせに……。


杏ちゃんのスイッチは、もう笹本くんに切り替わっちゃったみたい。



「ど、どうかな……」



あたしなんて目立たない人間だから、笹本くんが告白した相手がどんな人なのかを見に来る子が、今日一日あとを絶たなかった。


人から注目を浴びるなんて今までなかったし、苦手だし。


なんだか疲れちゃった……。





青山くんとは、電話番号やアドレスの交換なんてしていないし、その後、青山くんから弁解を聞くこともなく。


お互い話さないまま日々は普通に流れて、テストの日を迎えた。


テストは2日間。


笹本くんへの返事はテストが終わってから。


……まだ時間があると思っていたけど、明日にはテストが終わってしまう。


そうしたら、返事をしなきゃいけない。


どうしよう……。


はっきりいって、もうテストどころじゃなかった。