週が明けて月曜日。


穏やかな陽の差し込む、中庭。


ここには、色とりどりの季節の花が咲いている。


ベンチもないため、ここでお昼を食べる生徒はいない。


切り取られた絵のような風景の中、ゆっくり足を進めた先には、



「来てくれたんだ」



笹本くんの姿。


急いでお昼を食べてから約束のここへ向かったら、もう笹本くんは来ていた。



「ごめんね、待たせちゃって」


「大丈夫だよ、俺も今来たところだから」



太陽の下が良く似合う、爽やかな笑顔でニッコリ笑う。


陽に照らされた笹本くんは、あたしが初めて会った時に感じた王子様みたい。


友達も多く誰からも好かれてて、人気ものの笹本くん。



「スマホが入れ替わるなんて災難だったね」


「……うん」