信じられない。

信じたくない。


『消したかも』


青山くんの冷たい一言が、ずっと頭にこびりついて離れないーー



家に帰ったあたしは、魂が抜け落ちたように、ベッドに体を横たえていた。



笹本くんは既読無視していたわけじゃなかった。


あたしが朋美ちゃんと修羅場を作っていたその裏で。


あたしと笹本くんの間にも、意図的な溝が作られていた。


……青山くんに……。


そんなこと……夢にも思わなかった……。



ポケットが震える。


ゆっくりスマホを取り出すと、それは笹本くんからの着信だった。



「…………」



でも、出れないよ……。


胸の中も頭の中もぐちゃぐちゃで、誰かと話が出来るよう状況じゃない。


しばらくすると着信音は止み、今度はメッセージを告げる機械音が響く。


指でスマホの画面を滑らせると、メッセージが表示された。