胸がヒリヒリ痛んだ。
ショックだったあの時の気持ちをリアルに思い出して。
「ちょっと待って、俺、返事したよね。明日一緒に帰ろうって。校門付近の水道の前で待ってるって」
「……」
なに、それ。
「そのあと返信はなかったけど、既読もついたから、見てくれたと思ったんだけど」
「……」
「次の日、水道の前で待ってたら……」
笹本くんは、隣で黙々と作業している青山くんに目をやる。
……あの日を思い出す……。
みんなでカラオケに行くと決まり、青山くんを並んで歩いていたときに、確かに笹本くんを目撃した。
スマホを返してもらい、確認したけど返事は来てなくて。
そんな時に笹本くんに会うのが気まずくて、目を逸らしちゃったけど。