「足手まといになるだけだ。いいっつってんだろ」
「偽善ぶって、人の仕事勝手にとったくせに」
ふたりとも、すごく冷たい口調。
ギスギス感がハンパない。
あたしは笹本くんの顔をまともに見ることが出来ず、俯いてしまう。
避け続けていた相手と、こんな場面で対峙することになって、心が追いつかない。
「なんとでも言えよ。でも実際出来ないヤツにやられても困る。もう最終日なんだし」
青山くんは笹本くんを押し退け、テキパキと手を動かしていく。
その仕事ぶりは、慣れているから出来るものであって、この4日で習得したもの。
今日は最終日だし、笹本くんには悪いけど、手を出さない方が周りのためかもしれない。
「花恋ちゃん」
諦めたのか、手を止めた笹本くんが口を開いた。