「あ、そうだ。青山くん、数学得意だったりする?」


「数学?ああ、割と」



やっぱり。
男の子だし、数学が得意かなと思ってたんだ。



「あたし、数学苦手なの……良かったら……教えてもらえる?」


「おう」



よかったぁ。


言うのに勇気がいったけど、アッサリOKしてもらえてほっとする。



「でも俺の英語が終わってからな」


「うん、お願いします」



はじめは憂鬱だったこの作業。


でも、なんだかんだ楽しかった。


それは青山くんがいたから……?


そして、放課後の勉強タイムがあったから……?


自問して、肯定するように熱くなる胸……。


なんで、かな……。


自分の中に芽生えたこの感情に戸惑う。



「さー、休憩終わり!あとひと踏ん張りがんばろう」



仙石先生の一声で休憩タイムが終わり、再び作業に取り掛かった時だった。