「……あ、ど、どうも」
「なんだよそれ」
よそよそしい挨拶に、青山くんが笑う。
だって。
急に話しかけられてビックリしたんだもん。
「今日も頼むな」
「あ、うん」
英語のことだと分かり、頷くあたしは自然と頬が上がった。
図書室での作業2日目からは、青山くんと一緒に旧校舎で作業をしている。
終わってからは、図書室で青山くんに英語を教える……というのが流れ。
最終日の今日も、また一緒に勉強できるんだと思うと……胸が弾む。
「今日もあちーなー」
窓の外を照り付けている太陽に目を細めて、青山くんは襟元を引っ張って風を送りこみながら反対の手で髪をかきあげた。
……ッ……。
眩しい横顔。
鎖骨のラインが色っぽくて、ドキドキした。
「藤井って日焼けしない系?」
「えっ?」
その顔をこっちにふられ、あたしはあわててパッと目を見開く。
無防備な視線が、あたしを捉えていた。